風便り〜大切なあなたへ〜





「守屋、すまなかった!」



先生は、守屋くんに深く頭を下げた。

守屋くんは、なにも言わなかった。



「あんなこと、言わなかったらよかったと、後悔している」



先生は、辛そうに話し始めた。

守屋くんの手に力が入ったのがわかった。

私は強めに、守屋くんの手を握り返した。



「だけど、誤解しないでくれ、あの時俺は、お前のことを心配して言ったんだ。俺は、お前が強いやつだと思っていた。ああ言う風に言った方が、お前は這い上がってこれると思った」


「・・・なんだよ、それ」


「本当に、すまなかった!」



そう言って先生は、また深く頭を下げた。

沈黙が流れた。

短い沈黙だったけど、長く感じた。



「・・じゃあ、なんであの時、逃げたんだよ」



先生の肩が震えた。



「俺と目が合ったのに、お前、逃げただろ」


「・・・」



先生はなにも言わなかった。

きっと、本当のことだから、なにも言えなくなったんだと思う・・。

・・・守屋くんは、あの時、本当に見捨てられたんだと、きっとそう感じたんだ。

きっと、止めてほしかったんだね・・。


・・・だけど、先生は気づかない振りして、逃げた。





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