風便り〜大切なあなたへ〜





二限目の授業のチャイムが鳴ると同時に、守屋くんが戻ってきた。

私はちらっと横目で守屋くんを見た。



「なんだよ?」



私が見てるのに気づいて、守屋くんは笑顔で言ってくれた。

一気に、鼓動が早くなった。


守屋くんの笑顔、好きだな・・。



「あ・・なんでもないよ」


「・・・じゃあ俺のこと、あんまりチラチラ見んな」


「え?」


「勘違いすんだろ」



そう言うと、守屋くんは、少し恥ずかしそうに、黒板に視線を戻した。


・・どういう意味?

なんでそんなこと言うの・・?


そのあと私は、授業に集中できなかった。

守屋くんの言ったことが気になって、結局、何回も守屋くんを見てしまった。

守屋くんは、一回も私を見ることなく、授業に集中していた。


少し、淋しかった・・。


・・ダメだな、私。

守屋くんが学校に来てくれて、それだけで嬉しかったはずなのに、それだけじゃ嫌だなんて・・。

それだけじゃ、物足りないなんて・・。

守屋くんにも、私を見てほしいなんて・・。


どんどん、私の中で、守屋くんが大きくなってる。

守屋くんは、私のことどう思ってるのかな・・。

聞きたいけど、そんなこと怖くて聞けない・・。


守屋くん、好きだよ。

大好き・・。


心の中で、呟いても、守屋くんには届かない・・。

そんなこと、わかってる。

だけど、声にだして言う勇気が、私にはまだない・・。





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