風便り〜大切なあなたへ〜





帰りのホームルームが終わり、守屋くんは誰よりも早く、教室を出ていった。

声をかける暇もなかった・・。



「小林、ちょっといいか?」


「はい・・」



しょんぼりして、帰ろうとしていたら、小野先生から、呼び止められた。



「悪いが、この資料持っていくの手伝ってくれ」



そう言って、授業に使った人数分の資料を、机の上にドンと置いた。

すごく重そう・・。

これを先生一人で運ぶのは、大変だね・・。



「わかりました」



そう言って机の上の資料を、半分持とうとしたら、重いから三分の一だけでいいと言って、先生は軽い方を渡してくれた。



「ありがとな」


「いえ・・・」



資料室まで先生は、なにも話さなかった。

私もなにも話さなかった。



「今日の守屋、どうだった?」


「え?」



資料室で、資料を元に戻していると、先生から急に質問が飛んできた。



「俺の時は、真面目に授業聞いてるみたいだが、他はどうかと思ってな」


「ちゃんと、真面目ですよ」



私は笑顔で答えた。



「そうか」



先生も笑顔で答えてくれた。


先生、嬉しそうだな・・。

私も嬉しい。

二人で、守屋くんのこと心配してたから、気持ちがわかるんだね。

守屋くん、先生は、今でも守屋くんのこと、心配してくれてるよ。



「・・小林は、守屋と付き合ってるのか?」


「はひ!?」



先生の突拍子のない急な質問に、変な声がでてしまった。

先生は、お腹を抱えて笑いだした。





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