風便り〜大切なあなたへ〜
「守屋くん・・」
守屋くんは、私に気づき振り返った。
私は守屋くんの隣に屈んで、タンポポに挨拶をした。
「今日も頑張ってるんだね・・」
そう言ってタンポポを撫でた。
「何やってたんだよ」
隣から、いつもより低い声が聞こえてきた。
私はちょっとびっくりして、守屋くんを見た。
「今日、ここに来るの遅かったな。何やってたんだよ」
守屋くん、怒ってる・・?
「・・・ちょっと、先生のお手伝ーー・・」
全部言う前に、急に体がグラついた。
背中と、腕が少し痛かった・・。
私は、またあの日のように、守屋くんに押し倒されていた。
でも、今日は守屋くんの顔が、暗くて見えない。
「も、守屋くん・・?」
私の鼓動の音が、耳まで聞こえてくる。
息がうまくできない・・。
「・・・」
「守屋くん・・?」
守屋くんの手に、力が入った。
掴まれている腕が痛みだした・・。
長い沈黙が流れた。
・・ねえ、守屋くん。
なんでこんなことするの?
腕が、痛いよ・・・。
「・・今日は、泣かないんだな」
「え・・?」
守屋くんがそう言ったと同時に、頬に温かいものが落ちてきた。
・・水?
「守屋くん・・泣いてるの?」
「泣いてねえよ」
・・嘘。
顔が見えなくても、わかるよ?
・・なんでまた、そんな辛そうな顔してるの?