風便り〜大切なあなたへ〜
「守屋くん、離して・・?」
「・・・」
守屋くんは、離してくれなかった。
守屋くん、どうしちゃったの・・?
なんでまた、そんなに傷ついているの・・?
「守屋くん?」
「・・・なよ・・」
「え?」
何を言っているのか、聞き取れなかった。
「・・俺から、はなれていくなよ・・・」
今度ははっきり聞こえた。
・・私、はなれないよ?
守屋くんのこと、こんなに好きなのに、はなれられないよ・・・。
「・・私は、ずっと、守屋くんのそばにいるよ?」
「・・・」
私がそう言うと、守屋くんの手の力が弱まった。
そして、私の上からどいてくれた。
守屋くんが、弱々しく見えた。
すぐに、壊れてしまいそうに見えた。
このまま、どこかに行っちゃうんじゃないかと思った。
空はもう暗く、タンポポがどこにあるのかも見えなかった。
涼しい風が吹いていた。
綺麗な満月の夜だった。
私は、守屋くんを優しく抱きしめた。
いつか、守屋くんが、私にやってくれたように・・・。
優しく、守屋くんの背中をさすった。
「・・・大丈夫。私はどこにも行かないよ?」
私がそう言うと、守屋くんの手が、私の腰にまわって、守屋くんも私を優しく抱きしめた。