風便り〜大切なあなたへ〜





それから、なにも話さないまま、先生が来て、ホームルームが始まった。


今日は、なぜか先生とよく目が合った。

目が合うと、先生は爽やかに微笑んでくれた。


・・なんだろう?

今日の先生、おかしい・・・。



「なあ、あいつと昨日、なにかあったのか?」


お昼休み、隣から不機嫌な声が聞こえてきた。

横を見ると、いつものように、守屋くんはパンを食べていた。



「なにもないよ・・?」


「本当かよ」


「うん・・」



なんでそんなこと聞くの?

守屋くんの質問の意図がわからず、私は頭を悩ませた。


守屋くんは、それからは黙ってパンを食べていた。


放課後になり、帰ろうとしたら、また先生に呼び止められた。


「小林!ちょっといいか?」


「なんですか?」


「ちょっと、ちょっと」



そう言って先生は、私に手招きをした。

わけもわからず、先生のところへ行こうとしたら、守屋くんに腕を掴まれた。

守屋くんは今日は先に帰らず、教室に残っていた。



「守屋くん?」



守屋くんを見ると、先生を睨んでいた。

守屋くん、どうしたの?

なんでそんなに、怒っているの・・?



「こいつに何の用なんだよ」


「守屋・・」


「行くぞ」



そう言って守屋くんは、私の手を強引に引っ張って、教室から出た。

守屋くんに掴まれた手が、少し痛かった・・。





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