風便り〜大切なあなたへ〜
「お前もう、あいつに呼ばれても、ホイホイついて行くなよ」
「え?」
・・誰のこと言ってるの?
私、ホイホイ人について行ったりしないよ?
「小野。あいつ・・お前のこと絶対好きだからな」
「え?」
なに言ってるの?
そんなことないよ。
私は、守屋くんの言っていることがおかしくて、小さく笑った。
「俺には、わかるんだよ」
そう言って守屋くんは、不機嫌そうな顔をした。
・・妬いて、くれてるの、かな?
「・・ありがとう」
「あ?」
私は嬉しくて、守屋くんの手をしっかり握った。
大きくて、ゴツゴツした温かい手・・・。
守屋くんの手、すごく好きだよ・・。
この手で、私の頭を、撫でてくれた。
この手で、私を、抱きしめてくれた。
土手までくると、二人で屈んで、タンポポを見つめた。
このタンポポのおかげで、守屋くんに会えた・・。
このタンポポのおかげで、今の私たちがあるんだね・・。
今日もタンポポは風に揺られ、必死に生きようと、頑張っている。
何度人に踏まれたって、何度傷ついたって、芯の強さは変わらない。
気持ちのいい風に、居心地のいい場所。
隣には、大好きな守屋くん。
「守屋くん・・」
私は、守屋くんの名前が呼びたくなって、小さく呟いた。
「大和」
「え・・?」
「大和って、呼べよ・・真子」
「・・・」