風便り〜大切なあなたへ〜
・・・はじめて、守屋くんが、私の名前を呼んでくれた。
今まで、苗字すら呼んでくれなくて、いつもはお前なのに・・・。
どうしよう・・。
今、絶対、顔、真っ赤だよ・・・。
顔にどんどん血液が集まっていくのが、自分でもわかる。
心臓が壊れそうなくらい、早く動いてる・・。
呼吸も、うまくできない・・。
恥ずかしくなって、私は俯いた。
「・・・」
今しゃべったら、きっと声が震える。
「真子」
また名前を呼ばれて、心臓が高鳴った。
「・・・」
「大和って、呼んでくれ」
私は小さく、呟いた。
「・・や、まと・・・」
「聞こえねえよ」
「・・大和」
どうしよう・・。
守屋くんの名前、呼んじゃった・・・。
恥ずかしすぎて、泣きそうになった。
「顔上げろよ」
守屋くんの、優しい声が降ってきた。
こんな顔、見せられないよ・・・。
顔を上げない私に、守屋くんは、優しく私の顎をつまみ、クイっと持ち上げた。
「・・・顔、真っ赤で、目、潤んでる」
「・・・」
言わないで・・・。
声に出して言われると、余計に恥ずかしくなった。
「なあ、キスしてもいいか?」
「え!?」
「・・冗談だよ」
そう言って、守屋くんは、おかしそうに笑った。
こんな状態で、キスされたら、私、本当に死んじゃうよ・・・。
・・守屋くんが、気軽にキスしないのが、嬉しかった。
ちゃんと、私のこと考えてくれてる・・。
そう感じた。