風便り〜大切なあなたへ〜
しばらく沈黙が流れた。
心地のいい沈黙。
なにも話さなくても、隣にいてくれるだけで、ドキドキするけど、安心する。
「・・とにかく、あいつには気をつけろよ?」
守屋くんは、沈黙を破り、さっきの話の続きをした。
・・心配してくれてるんだね。
大丈夫だよ。
ありがとう・・・。
「うん、気をつける」
「よし」
そう言って、守屋くんは、私の頭を撫でてくれた。
幸せだなー・・・。
些細なことが、嬉しくて、愛しくて、心が満たされる。
口数は少ないけど、暗くなるまで、守屋くんと一緒に土手に座り、空を眺めた。
ずっと、大好きな手と、手をつないで・・。
今日の夕焼けは、いつもよりも綺麗に見えた。
「なんだ、お前らやっぱり付き合ってたのか」
ふと、後ろから声が聞こえた。
振り向くと、小野先生が立っていた。
「小林、先生に嘘ついたのか?」
先生は、いつものように、爽やかに笑っていた。
・・・だけど、目が笑っていなかった。
はじめて、先生を怖いと思った・・。
「いつからなんだ?」
そう言って、先生は近づいてくる。
「・・昨日のーー・・」
私がそう言おうとした時だった。
守屋くんが、私の前に立って、先生を睨みつけた。