風便り〜大切なあなたへ〜





チャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。

私は、昨日のことがあり、ちょっと不安だったけど、先生はいつもと変わりなかった。


いつも通りの、爽やかな先生だ・・。


私は安心して、胸を撫で下ろした。

守屋くんを見ると、不機嫌そうな顔をしていた。


守屋くん、大丈夫だよ。

先生、普通だよ?


心の中で、そっと守屋くんに呟いた。


きっと、守屋くんの考えすぎだったんだよ。

だって、先生が私のこと好きなわけないよ・・。

先生は、先生だからね。



「・・そんなに、見つめんなよ」



守屋くんが、ボソッと言った。

私は、そんなに見てたとは思わなくて、急に恥ずかしくなった。

顔が熱い・・・。



「襲われてえのか?」


「え・・!?」



守屋くんは、私の反応を見て小さく笑った。


冗談でも、心臓がもたないよ・・・。


私は赤くなった顔を、必死で手であおいだ。


そのあとは、何事もなく放課後になった。

私は、トイレに行こうと、席を立った。



「どこ行くんだよ?」



隣からは、守屋くんの声。

トイレに行くなんて、恥ずかしくて言えない・・・。



「ちょっと・・」


「ちょっと、なんだよ?」


「と、トイレに・・」



言ってしまった・・・。


今日一日で、気づいたことがある。

守屋くんは、私がどこかに行こうとすると、必ずついてくる・・・。

それは、すごく嬉しいんだけど、さすがにトイレまでは恥ずかしい・・・。





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