風便り〜大切なあなたへ〜





校門で、風香ちゃんたちと別れ、守屋くんと暗い道の中、家まで歩いた。

あれからずっと、守屋くんは私の手を握ってくれていた。

風香ちゃんが抱きついた時も、昇降口で、靴に履き替える時も・・。

私はその手が愛おしかった。



「・・・」


「・・・なあ」



しばらく二人ともなにも話さなかったけど、急に守屋くんが口を開いた。



「・・お前、もう俺から片時もはなれるな」


「え?」


「怖いんだよ」



そう言って、守屋くんの手に力が入ったのがわかった。

私は守屋くん手を握り返した。



「お前は、俺を救ってくれた。お前が、少しでも俺からはなれると、不安なんだよ」



守屋くんは、そうぶっきら棒に言ったけど、守屋くんの気持ちが伝わってきた。



「大丈夫。私もう、守屋くんからはなれないから・・」


「・・お前、すげえな」


「え?」


「いつも、俺の欲しい言葉をくれる」



そう言って、守屋くんは微笑んだ。

私は、そんなつもりで言ってたわけじゃないけど、すごく嬉しかった。


守屋くんだって、私の欲しい言葉、いつもくれるよ・・?


口に出して言うのは少し恥ずかしけど、私、守屋くんから、もうはなれられないよ・・。



「真子、好きだ」



ふいに言われ、心臓が飛び跳ねた。



「・・うん、私も・・」


「聞こえねえよ」



守屋くんは、ぶっきら棒に言った。



「私も、守屋くんが好き」


「聞こえねえ」


「私も、や、大和・・が好き」


「もっかい言って」


「私も、大和が好き」



今度ははっきり言った。

守屋くんは、満足そうに笑った。

守屋くん、意地悪だ・・。





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