風便り〜大切なあなたへ〜





日曜日がきた。

今日は楽しみにしていた、守屋くんとのデートの日。

私は緊張のあまり、朝の5時に目が覚めた・・。

初めて雑誌を買って、オシャレも研究した。

だけど、私には似合いそうもなかったから、いつものお気に入りのワンピースにした。


こんないつもの格好、守屋くん、引くかな・・。


メイクも研究したけど、よくわからなかったから、いつもは付けないリップだけにした。


・・まだ若いから、化粧はしなくてもいいよね?


いろいろ不安だったけど、待ち合わせの30分前に家を出た。

土手までは15分で行けるから、大丈夫だよね・・?


いつもの場所が近づいてくると、人影が見えた。

制服じゃなくても誰だかわかる。

愛おしい背中だった・・。



「守屋くん、おはよう」


「おう」



言いながら守屋くんは、振り向いて私を見た。



「・・・」



守屋くんは、私を見てもなにも言わなかった。


やっぱり、この格好じゃダメだったのかな・・。


守屋くんを見ると、オシャレで、かっこよかった。


私、つりあってない・・。



「・・可愛いな」



守屋くんがボソッと言った。



「え・・?」


「ワンピースとか、反則だろ」



そう言って守屋くんは、私の頭を優しく撫でてくれた。



「・・・」


「俺には何もコメントなしかよ?」


「・・・かっこいいよ」



私は小さく呟いた。



「なに?聞こえねえ」


「・・守屋くん、かっこいいよ」


「聞こえねえよ」



守屋くんは不満そうに言った。


また、このパターン・・。


私は顔を赤く染めながら、守屋くんを見て言った。



「大和、かっこいい・・」


「ありがとな」



そう言って守屋くんは満足そうに微笑んだ。





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