風便り〜大切なあなたへ〜
「・・大和?」
「お前が、あんな顔するからだぞ」
守屋くんは、意地悪な顔で微笑んだ。
「・・・ごめんなさい」
私が悪いの?
よくわからないよ・・。
でも、守屋くんのこういう顔が見れるなら、それでもいい・・。
守屋くんの、いろんな表情が見れて、私嬉しいよ。
特に、笑ってる顔を見ると、胸がドキドキする・・。
だからもう、あんな辛そうな顔も、傷ついた顔も見たくない。
そんな顔だけは、もうさせたくない・・。
窓の外に目をやると、いろんな景色が流れていった。
私たちも、こうやって流れていくのかな・・。
守屋くんと出会ったのが、もうずっと前のことのように感じた。
「真子」
「ん?」
守屋くんに呼ばれ、窓の外から守屋くんに視線を移した。
守屋くんは、私の手をしっかり握ると、私の肩に頭を乗せた。
私は守屋くんが近くて、ドキッとした。
「お前といると、すげえ安心する」
「・・・私も・・や、大和といるとすごい安心するよ」
そう言うと、私は守屋くんの頭に、自分の頭を傾けて、目を閉じた。
「大和、大好きだよ」
私は守屋くんだけに聞こえるように、小さく呟いた。
守屋くんからの返事はなかったけど、かわりに手をギュとしてくれて、守屋くんの温かい気持ちが伝わってきた。
「・・遊園地ついたら、何したいか考えとけよ?」
「うん」
それから守屋くんとは、あんまり話さなかったけど、なにも話さなくても居心地がよかった。
守屋くんといるだけで、幸せになれる。
守屋くんといるだけで、心があったかくなれる。
守屋くんといるだけで、どんどん気持ちが溢れてくる。
周りの音なんて、耳に入ってこなかった。
守屋くんの、息遣いだけが聞こえてきた。