風便り〜大切なあなたへ〜
それから、守屋くんとコーヒーカップに乗って、メリーゴーランドにも乗った。
メリーゴーランドに乗る時に、守屋くんは、こんなの子供が乗るもんだろって、恥ずかしがって乗るのを嫌がっていたけど、私がどうしても乗りたいって言うと、守屋くんは素直に乗ってくれた。
白馬に乗った守屋くんは、本当に王子様に見えた。
私だけの、王子様・・。
「大和、ありがとう」
私は、満面の笑みで言った。
「もう一生、乗らねえからな」
守屋くんは、ぶっきら棒にそう言うと、珍しく拗ねた顔をしていた。
私は、そんな守屋くんの顔も、可愛いと思った。
「笑ってんじゃねえよ」
「笑ってないよ?」
「嘘つけ、笑ってんじゃねえか」
私、笑ってないよ・・。
ただ、嬉しいんだよ。
守屋くんが、拗ねるくらい嫌だったのに、私のためにメリーゴーランドに乗ってくれたことが・・。
「・・次は、私が大和の王子様になるね」
「あ?何言ってんだ?」
守屋くんは、私の発言に眉をしかめた。
「ううん、何でもない」
そう言って、私は笑顔で守屋くんを見た。
「・・変なやつ」
守屋くんはぼそっと呟いて、私から視線をそらすと、軽く頭をかいた。
「なあ、腹減ってねえか?」
「うん・・お腹すいた」
時計を見ると、15時を過ぎていた。
守屋くんと一緒なのが楽しくて、時間が過ぎていくのがあっという間だった。
お昼のことなんてすっかり忘れてたよ・・。
守屋くんと、近くにあったレストランに入った。
お昼から、だいぶん時間が過ぎていたから、人は少なかった。