風便り〜大切なあなたへ〜
「・・・お待たせ致しました」
そう言って定員さんが、注文したオムライスとサラダのセットを持ってきてくれた。
私は泣いていたからびっくりして、慌てて涙を拭いた。
「いい彼氏さんですね」
そう言って、定員さんはにっこり笑った。
私は、さっきの話を聞かれていたかと思うと、恥ずかしくて俯いた。
そうだ・・ここ、レストランだった・・。
「・・は、はい・・」
「ごゆっくりどうぞ」
それだけ言って、定員さんは立ち去っていった。
私は恥ずかしくて、顔を上げれなかった。
他の人にも、話を聞かれていたかもしれない・・。
そう思ったら、余計にまた恥ずかしくなった。
「・・真子」
「・・・」
守屋くんに名前を呼ばれ、私はゆっくり顔を上げて、守屋くんを見た。
「お前、すげえ顔真っ赤だな」
そう言った守屋くんの顔も、真っ赤に染まっていた。
「・・大和も真っ赤だよ・・?」
「・・・」
短い沈黙が流れた。
きっと守屋くんも、話を聞かれていたなんて思ってなかったんだろうな・・。
「・・食うか」
「・・うん」
それから静かにご飯を食べた。
ご飯を食べている間、何も話さなかった。
・・話せなかった。
心臓がずっと大きく鳴っていて、オムライスの味もわからなかった・・。
レストランを出ると、もう16時を過ぎていた。
まだ、乗り物に乗り足りない気がしたけど、それはまた今度にして、入口付近にあるお店で、お買い物をすることにした。
「欲しい物があったら、言えよ?」
そう言って、守屋くんは私を手を握った。
私も守屋くんの手を握り返した。
でも、これ以上出してもらうのは悪いと思った・・。
「ありがとう・・でもこれ以上出してもらうのは悪いから、自分で出すよ」
「あ?言っただろ、今日は俺が全部出すって」
そうぶっきら棒に言いながら、守屋くんは不機嫌そうな顔をした。