風便り〜大切なあなたへ〜





「・・大和」


「あ?」



出口のゲートの前で、私は立ち止まった。

やっぱり、どうしても欲しい物がある・・。

だけど、それだけは自分で買いたかった。



「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる・・」


「・・おう、ついて行こうか?」


「ううん、すぐそこだからここで待ってて?」



そう言って、私は急いでさっきのショップに向かった。

どうしても、あのぬいぐるみが欲しかった。

守屋くんがあんなにずっと見てたんだから、きっと欲しかったはず・・。

それだけじゃ物足りないかもしれないけど、どうしても守屋くんにプレゼントしてあげたかった。



「ありがとうございます」



私は商品を受け取ると、大事にカバンの中に入れた。

サプライズプレゼントにしたいから、見つからないように気をつけないとね・・。

出口のゲート付近で、守屋くんを見つけると、私は走って守屋くんに駆け寄った。



「遅かったな」



守屋くんは、不機嫌そうな顔で私の手を握った。



「・・ごめんね?」



私は守屋くんを怒らせたんじゃないかと、不安になって守屋くんを見た。



「冗談だよ」



そう言って、守屋くんは悪戯っぽく笑った。


この笑顔も好きだな・・。


トクンと胸が高鳴った。

私は守屋くんの手をぎゅっと握って、守屋くんの手の甲にキスをした。



「・・なにしてんだよ」


「守屋くん、大好きだよ」



私が笑顔でそう言うと、守屋くんの顔が赤くなったのがわかった。



「き、聞こえねえよ・・」


「大和、大好きだよ」


「・・・」



もう一度笑顔で言うと、守屋くんの手に力が入った。

守屋くんは照れているようだった。


守屋くん、可愛い・・。





< 87 / 273 >

この作品をシェア

pagetop