風便り〜大切なあなたへ〜
私は、守屋くんとつないでいた手を離すと、カバンの中から遊園地で買ったぬいぐるみの入った袋を取り出した。
「・・大和、お誕生日おめでとう」
そう言って守屋くんに手渡した。
守屋くんは、びっくりしたような顔をしていた。
「どうしたんだよ、これ・・」
「帰り際に、トイレに行く振りして買ってきた。どうしても、大和にプレゼントしてあげたくて・・」
私がそう言うと、守屋くんは嬉しそうに微笑んでくれた。
「あけていいか?」
「うん」
守屋くんは袋を開けて、中を覗き込んだ。
犬のぬいぐるみを手に取って、守屋くんは笑った。
「ぬいぐるみかよ」
「だって大和、ずっと見てたから、欲しいのかと思って・・」
あれ、違ったのかな・・?
私の勘違いだったのかな・・。
そんなに笑わなくてもいいのに・・。
守屋くんはしばらく笑ったあと、優しく言った。
「ありがとな・・こいつ、お前に似てると思って見てただけだったんだけど、お前、ちゃんと俺のこと見ててくれたんだな・・大事にするよ」
そう言って守屋くんは、私の頭を優しく撫でてくれた。
私は守屋くんが、ぬいぐるみが欲しかったわけじゃないことがわかって、恥ずかしくなった。
「む、無理してもらってくれなくてもいいんだよ・・?」
「なに言ってんだよ。嬉しいに決まってんだろ」
そう言って守屋くんは、私の唇に自分の唇を優しく重ねた。
私は恥ずかしくて俯いた。
「真子」
「・・・」
守屋くんに名前を呼ばれ、ゆっくり顔を上げると、守屋くんは、今までで一番嬉しそうな顔をしていた。
私は、心臓が大きく飛び跳ねて、息が詰まった。
守屋くん・・。
「真子、最高の誕生日プレゼントありがとう」