課長の瞳で凍死します ~旅支度編~
 なんだかんだで、いつものように夜は更けていき、気づくと、三上が台所を片付けていて、その横で、浩太郎が残り物を片付けている。

 茶碗を運んでいた真湖は、羽村が寝てしまっているのに気づき、ちょっと笑って、自分の毛布をとってきて、かけてやった。

 台所で三上を手伝っていると、客間から、雅喜が出てくるのが見えた。

 手には毛布がある。

 見ていると、真湖のかけてやった真湖の毛布を羽村から引っぺがし、普段誰も使っていないお客様用の毛布と取り替えていた。

 なにやってんだ、と苦笑する。

「此処来ると落ち着くんだよねー」

 食洗機で洗い上がって、冷ましていた食器を取り出し、拭きながら三上が言う。

「週一で此処に来ていいのなら、結婚しなくていいかも。

 っていうか、此処で、ぐだぐだ出来なくなるのなら、結婚しなくてもいいかも」
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