おためしシンデレラ
秘書の逃亡


三村との同居を解消してから1ヵ月半近くが経とうとしていた。

莉子は最近は江畑の代わりに専務に付くことも多く、三村との距離が徐々に開いていく。

三村の秘書は真歩でも構わない。
寧ろ真歩の方が良いのだ。



「豆田くん、えらい痩せた?」

秘書課の部屋でコピーをとっていると後ろから穂村に問われた。

「え、ホンマですか?ちょっと婚活真面目にしようと思ってダイエットしてるんですけど」

「痩せへんでもポッチャリして可愛かったのに」

「よく言いますね、自分の奥様は2人も子供産んでもシュッとしてはるのに」

この間、出産祝いを持って環に会いに行ったらすっかり元のスレンダーな身体に戻っていた。

「はは、けど冗談抜きで体調はええの?無理はしたらダメやで」

「はあい」


本当のことを言うと、ダイエットではなく莉子は体調を崩していた。どうも胃もたれというか食欲不振だ。コピー機がウィンウィンと次々に紙を吐き出すのを確認しながら壁の丁度目の高さに貼られたカレンダーをなんとなく見る。
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