おためしシンデレラ


それだけ揃っていたら家事だって随分楽が出来る。

「食事の支度とリビングの掃除と洗濯はははわたしがします。社長は食事の後片付けとお風呂と自分の部屋の掃除をお願いしますね」

「・・・・・面倒くさい」

「家事の分担は共働き世帯の基本です。子供がいないだけ楽だと思いますけど」

やっぱり止めようと三村がそう言うのを莉子は待っていた。さっさと思い直してくれるのを半分期待している。

じっと三村から目を逸らさないでいると、敵もさる者、不敵に唇に笑みを浮かべた。

「ま、ええやろ。マメの言う通りにしてやる。お前、どうせオレに家事なんか出来る訳ないと思うてるやろし」

「出来るんですか?」

「大学時代も留学したときも基本的なことは自分でやってたぞ」

・・・・・偉そうに。実際偉いけど。

それやったらそれで1ヵ月頑張っていただこうーーー莉子も負けずにちょっと意地悪そうに口角を上げた。
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