おためしシンデレラ
秘書の窮地
昼休みが終わった社長室。
三村が莉子が提出したレポートを繰る。
「社内託児所と病児保育か」
「はい、まだ書きかけなんですけど。色々確認しないとダメなことも多いし」
「メリットは?」
「優秀な女子社員の出産育児のための離職を防げます。あとは勤務形態の見直しですね。勤務時間とか、在宅勤務が可能かとか」
「えらい盛りだくさんやな」
「折角お金と時間をかけて育てた人材を手放すのは惜しいです。それも意欲のある人を。できるなら長く働いて欲しいですし、保育園の待機児童問題は深刻なんですよ」
「まあ、社内会議にかけられるくらいに形にしてみろ」
「はい。頑張ってみます」
よくよく考えた案だったけれど、まだまだ人前に出せるほどではないということか。
いつも三村のサポートで自分から何か企画を出したりしたことがないので、なかなか大変そうだけれど未来の自分のためにも頑張らねば。
まずはその前に結婚相手を探さないと・・・・・自席に戻りながら莉子が苦く笑う。