潮風とともに


会議室に入り席につくと、彩花さんがじっとこちらを見つめていた。


「それで?何があったの。まさか、妊娠とか、、」


「っちが!!!そんなわけないじゃないですか。計算が合わない。って、そんな事じゃなくてですね、、、」


彩花さんの突拍子もない発言に思わず狼狽えてしまったけど、どうにか心を落ち着かせて本題に入る。


「彩花さん、すみません!
私、3月いっぱいでここを退職します。。。」


私は頭を下げながら言った。


「瑠碧、頭あげなさい。……それは、もしかしなくても、沖縄に行くってことよね?寿かな?」


彩花さんの寂しげな顔に、申し訳なさが募る


「まだ、はっきりとプロポーズされたわけではありません。でも、傍にいたいんです。

それに、黙っていてもいつかは知られることになるかもしれないので言うんですけど……」



私は一度深呼吸をした


「以前宿泊したホテル、彼が働いてるホテルでブライダル部門を立ち上げる話が出てるんです。次期社長が彼の幼友達で……
そこでプランナーとして働きたいんです。
まだその部門を作れるかどうかも決定ではないんですけど……」


「そう。引き抜きということね?
まぁ、確かに。瑠碧はお客様からの評判はいいし、考え出す企画も面白い。うちにはエースがいなくなるようなものだから、痛手ね。

でも……あなたが沖縄で頑張りたいのなら、私は応援歌するわ。やっぱり近くにいないと、分からない些細な事があるものね。」
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