潮風とともに


空港から40分ほど走ってホテルへとたどり着いた。

コテージがいくつも並んでいて、アダンやヤシの木が生えていて、すごく、景色が綺麗なホテルだった。

車を降りてフロントへ進むと、アロハシャツを着た色黒のイケメンが立っていて、人の良さそうな笑顔で迎えてくれた。

「二人で予約していた相澤です。」

私がそう伝えると、その男の人はチラッと私たちを見てからパソコンへと目を向けた。

少し間があって、何故か言いにくそうにしているその人を見ていると、

「申し訳ありませんが、予約されたかたは相澤剛様となっておりますが……」

あ、そうか。剛の名前なのに女が二人来たから怪しまれてるのかな?


私がそんな事を思っていると、
後ろから美穂がフロントへと進んできた。

「私、相澤美穂って言います。予約した相澤剛の家族で、訳あって来れなくなったので、私が代わりにきたんです。その予約で、間違いないので大丈夫ですよ。」


そう言うと見惚れるくらいの笑顔で男の人を見やった。

「左様でございましたか。申し訳ありません。
チェックインは15時ですので、それまでお荷物はこちらのフロントでお預かりしておきます。
また15時になりましたら、フロントへお越しいただけますか。」

「分かりました。よろしくお願いします。」

美穂がそう答えると、その人はフロントから出てきて私たちの荷物を受け取ってくれた。

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