潮風とともに
レジに立っていた同年代の男の人が私たちを見てから仲間さんの肩に手を回した。
「いてーよ!ヤス!!この子たちは今うちに泊まってる子だ。なんかオススメ適当に持ってきてよ。」
そう言うと奥の座敷に座った。
「何のむ?とりあえずビール?」
「おれ、ビール。」
「うちらもビール!」
そう言うと仲間さんがヤスと呼ばれた男性にビールを頼んでくれた。
「それにしても、本当に二人は美人だよね。ビーチでも相当目だっていたって、監視員してたやつが言ってたよ。
二人は職場の友達なの?」
仲間さんがおしぼりで手を吹きながら聞いてきた。
「そんなに何度も褒めても何もでてこうへんからね!
うちらは短大の時からの親友やねん。同じブライダル系の学科で入学説明から仲良くなってんな!」
美穂がこちらをチラリと見てから視線を仲間さんに戻した。
美穂の前に仲間さんが座り、その隣に赤嶺さんが座っている。赤嶺さんは先ほどから付けだしのきゅうりの酢の物を食べてばかりで話に入る気はなさそう。
「そんなんだ。ねぇ、下の名前、美穂ちゃんって言うんだよね?下の名前で読んではいい?瑠碧ちゃんも。」
仲間さんが美穂を狙っているのが分かりやすすぎて苦笑いで頷いた。
「いいよー!私も弘人って読んでいい?」
「もちろん!」
二人は今日初めて出会ったとは思えないほど盛り上がっている。
そんな二人を眺めながら私もきゅうりの酢の物に手をつけた。たまに二人が話を降ってくるので答えるくらいで、二人の会話に積極的に入ることはしなかった。
どんどん運ばれてくる料理はどれも美味しくてついつい食べ過ぎてしまう。