堕天使と呼ばれる女
人質
「ただいま~」

明るい声で喫茶店の扉を開けるのはスミレ。

スミレの手には、葱がはみ出たエコバッグがあった。葱はちゃんと回収してくるあたり、スミレも抜目ない…


買い物もサッと片付けてから、手早くチキンのサンドイッチとミルクティーを準備し、スミレは地下室への扉を開けた。


「ただいま~
 疲れたんじゃない?」

そういって、書類に埋もれてげんなり顔の聖羅に差し出されたのは、ジューシーなチキンサンド!

「おかえりなさい!
 いただきま~す☆」


ニコニコ笑顔で頬張って、聖羅はしばしサンドを堪能…


「あれ?
 何か1匹いませんが…
 捨ててきちゃいました?」


「ヤダー!!捨てたら苦情が来ちゃうわよ!

 人質として預かるってさ。

 情報は明日の正午に聖羅が取りに来いって言ってたわ。」


「あのポチくんは、お使いも出来ないワンコだったんですか…
 まあ、五体満足で帰って来れれば、ヨシとしますかね!」


「そうね~
 何かあったら呼んでね!」

そう一言残して、スミレは階段を昇っていった…



『さて、ここまでは予想通り…

 和也が彼らの信頼を得る為には、必要な道のりなんだろう…』


スミレからの報告を冗談で交わしつつ、聖羅は冷静に現状を把握しようとしていた。
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