俺たちの妹・3
ドキドキしながらも、着替えて、持ち物の準備をゆっくり進める。

「ふぅ…」

せっかく幸せな空間に参加出来たのに、こんな状態になっちゃうなんて駄目だな……

「みぃ?準備できた?」

葵がひょっこりドアから顔を出した。

「あ、うん。待たせてごめんね」

「大丈夫だよ。さ、朝ごはん食べて行こうか」

そう言って私の手を握って、リビングの椅子に座らせてくれた。

「昨日と同じくらいの量だから飲みきれるかなとは思うんだけど…」

そう言いながら私の前にコトっとスムージーの入ったコップを置いてくれた葵。

「ありがと、葵」

そう言って飲み始めると葵はにっこり笑ってくれた。

飲みやすくて、美味しい。

食欲はなかったけど、コクコクと飲めてホッとした。

飲み終えると片付けをして、出かける準備をする。

「よし、じゃぁ行こうか」

葵から声が掛かって、小さく頷いた。

「そんなに怖がらなくても大丈夫だから」

そう言いながら頭をポンポンしてくれる葵。

「…うん」

不安に包まれていた気持ちが、少し安心出来た。

「昨日はぐったりしててビックリだったけど、今は動けてるし、入院にはならないと思うから」

「そうだといいな……」

葵の励ましの言葉に少し気分も落ち着いた。


車に乗り込み葵の運転で病院へ向かう。

しばらくすると見慣れた病院が見えてきた。

「朝一だから、受付済ませたらすぐだからね」

「うん、葵送ってくれてありがとう」

「俺も行き先一緒だし、みぃといつもより長く居れて俺は嬉しいよ」

にっこり笑う葵は、やっぱり優しいな……

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