拗らせ女子に 王子様の口づけを
今までも三矢はいつも優しかった。
そうやって心配してくれる気持ちも躊躇することなく受け入れていた。
だって、全く気づかなかったんだもん。
みのり曰く、『健全な成人男性が下心なく優しくする相手は身内以外でありえない』
らしい。
深い。
自分の思考回路が幼稚すぎて恥ずかしい。
気付いて……いや、伝えられて、改めて三矢からの優しさを思い返してみるとなんて甘やかされていたんだろうと顔が真っ赤になった。
私に対して甘すぎる。
なんてことだ。
そして気づかなかった原因は野々宮先輩にもあると思うわよと続けて言われる。
『だって、沙織は野々宮先輩から甘やかされ慣れてるもの』
確かに。
奏ちゃんは私に対して恋愛云々の触れ方はしてこなかったが、接し方に関しては砂を吐くほど甘かった。
私に対して過保護で事細かに面倒を見続けられてきた私はお世話をされなれている自覚は……ある。たぶん。
「ねぇ三矢……人の事アホって。アホアホ言いすぎじゃない?」
痛む肘を擦りながら、緊張が解れていつもの軽口が気持ちを楽にした。
良かった。
普通に話せてる。
気づかれないように胸を撫で下ろし、見上げた三矢が何故かニヤリと意地悪な笑みを浮かべ私の耳元に顔を寄せてきた。
嫌な予感……。
「じゃあ……」
「えっ?何?」
「クッ、俺を意識して、慌てたりして可愛いなお前」
「!!!!!」
「そう本音言ったほうが良かったか?」
「!!!!!!!!!」
言葉が見つからず、首がもげそうなくらい横に振った。
ぶんぶん音が聞こえるくらい!
顔が赤くなるのが分かる。
朝から何言ってんだ。
「━━━━━━━━━━━━━━━ばか」