拗らせ女子に 王子様の口づけを
それが今は、
沙織と笑い合うことも出来なかった。
酒の心配も、よってくる男たちも傍観することしか出来なくて。
帰り道も結局1度も送ったことがなかった。
俺は未だに沙織の住むマンションに行ったことがない。
今、沙織と笑い、楽しそうな笑顔を引き出しているのは三矢で。
隣で沙織の無防備な態度に周りを威嚇しているのも三矢。
沙織のマンションの場所を知っていて、何度も送り届けているのも三矢だった。