拗らせ女子に 王子様の口づけを


「沙織、お前飲めるのか?そういえば、飲みに来るなんて初めてだな」


向かい側からカチンとビールで乾杯しながら奏輔が聞いてくる。


「私が成人したときは奏ちゃん大阪に居たしね。うふふふふ。中々イケるほうだと思う。川北次長らとも焼酎仲間だしね」


わいわいと同期の仲の良い話や仕事の話、なんだか変なメンバーだけど、奏ちゃんの『妹』とは違う、仕事仲間としてのいつもとちがう自分の立ち位置が心地よかった。


幼馴染みだなんて、近すぎると特なんだか損なんだか、この年になるとよく分かんなくなるわね。


奏ちゃんと二人じゃなかったのは残念だけど、良かったかも。
妹、としてじゃないことに気付いて欲しいところだわ。
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