拗らせ女子に 王子様の口づけを
「沙織?これはどういう状況かしら?」
あれから30分。
店員に案内されて個室の扉を開けたみのりは、飲まされて酔っぱらった沙織を一別し冷たい声をかける。
スラッとした身長に5センチのピンヒールを履きこなし、前髪のない長いストレートな髪を耳にかけて、仕事終わりなのか薄目の化粧をしていても少しきつめの切れ長の目でジロリと仁王立ちで睨まれた。
からかい半分で女性陣に飲まされまくった沙織は、いつもなら『ヒィィィッッ』と怯えるみのりちゃんの様子にも、今はケラケラと笑っている状況だ。
「わぁーーーーい。みのりだ」
ニコニコと無邪気な笑顔を振り撒きながら、頬を染めて手招きする。誘われるまま座敷に上がったみのりの膝に沙織がもたれ掛かる。
ここが個室で良かった。
「こんばんは。初めまして沙織の親友の長瀬みのりと申します」
沙織の頭を撫でながら、怒りを含めた低い声とは裏腹にニッコリと笑いながら頭を下げて、その切れ長の目をほそめながら奏輔を見た。
「野々宮先輩?これはどういう事ですか?」
妖艶なみのりの雰囲気に息を飲む同僚達。
クククッ。
女王様の降臨だな。