拗らせ女子に 王子様の口づけを
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「こんにちは。今日もお時間とってもらってすみません」
午後になって、『カタオカ』の秦野さんがやってきた。昨日お願いしていたカーテンサンプルに、新商品が出て、急遽今日も持ってきて貰ったのだ。
「こちらこそ、すみません。わざわざ持ってきて貰って。ありがとうございます」
早速机に広げて、見せてもらう。
その中のイチオシの試供品として、その生地を使ったポーチを頂いた。
「うわぁ。可愛い柄。毎回申し訳ないんですけど、嬉しいんですよね」
「そうですよね!これ、私も会社で貰うと女子社員で取り合ってるんです」
秦野さんとは2年ほどの付き合いとなる。
『カタオカ』の前担当者が退職し、秦野さんと交代した。
年も秦野さんが2つ上で、年も近いので話しやすく、この2年の間でプライベートの事も話すようになった。
肩までの焦げ茶色の髪をストレートに下ろし、クルリと大きい二重の瞳に小さな赤い唇は、幼く見えるのに何処か艶めかしく色っぽい。
しかし口を開けば、男勝りな勝ち気な言動で物事を白黒つけないと気が済まないタイプだそうだ。裏表のないその性格に私も仲良くさせてもらえて嬉しい限りだ。