知らない彼が襲いにきます
深緑色の理知的な瞳に、丸い片眼鏡。


毛先が軽くカールした天然パーマの栗色の髪。


すらりと伸びた背に、鼻筋が高く整った顔が印象的。



物心ついた時から憧れていた、愛する人の名はエヴァンという。


私の専属執事だ。


――いや、専属執事「だった」、というのが正しいか。


彼はもう、ここにはいないのだから。



十歳年上の彼は、私が生まれた頃から使用人としてこの屋敷に仕えはじめたそうだ。


当時まだ少年だった彼は、幼い私の遊び相手として仕事を与えられたのだという。


そして私がある程度大きくなってからは、私の専属執事として、礼儀作法の教育や勉強の添削をしてくれた。


しかし、私にとって彼は単なる執事以上の存在だった。
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