審神者、始めました
 鯰「姉・・・さん?」
 懐かしい声が響いたと同時、私は審神者の盛装である白い狩衣の袖を広げた。
 歩『正哉。久し振りね』
 そう。今の生活を始める前の場所、つまり母さんの実家に足を運んだのだ。
 歩(兼定と鯰尾には、術をかけて姿を見えなくしてあるし、名前も聞かれなくしてある)
刀剣男士に本名を聞かれる事は、魂を縛られる事と同じ。今の生活を守らなければ。





 ?・正「姉様、歴史をまもってるって政府の役人さんが言ってたけど、本当?」
 歩『そうよ。今日は政府が主催する報告会の日でね、帰りに寄ったの』
 鯰「主様の弟さん、可愛らしいですね。和泉守さん」
 兼「そうだな。粟田口の短刀達が言ってたのが、理解できたぜ」
 ひそひそ話、聞こえてるわよ。二刀(ふたり)共。




 正「母さん、姉さんが帰ってきた~!」
 母「あゆが?!」
 母さん、変わってないなー。後ろにいる兼定と鯰尾が呆気に取られているのが、気配で分かる。

 
< 28 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop