信愛なる君へ
後ろからそんな声が聞こえたと同時に、背後へ強く引っ張られる。
他の人よりも少し低めな声をしている…氷雨さんの声だった。
「もー!俺の邪魔しないでよ、氷雨〜」
「邪魔もなにもないだろ、こんなとこで何やってるんだ」
「見れば分かるだろ、咲笑ちゃんを口説いてたんだよ〜」
「…………お前の悪いクセだぞ、ヒデ」
「はいはい、わかったよ〜。
でも咲笑ちゃん」
「は、はい」
「俺はその言葉、本気だから『余裕ができたら』考えてよ」
余裕が…できたら?
そう言い残すとヒデさんは一足先に席へと戻った。
「悪かったな、ヒデがあんなこと」
「いえ、『また』助けていただいてありがとうございました」
「『また』…?」
無意識に出た言葉にハッとする。