夜明け前に灯を
僕の不運

「ゆ、う、せ、い!」
「月山優星って明らかに名前負けだよな」
「星なんてそもそもちょびっとしか光ってないのに尚優しくしたら闇じゃねーかよ」
「ほんと、暁とはひでぇ違いだな」
そんな言葉を何度も何度も聞いてきた。
僕は典型的な運動音痴で、かといって勉強ができるかと言われれば自慢できるほどの成績は持ち合わせていない。
要するにぱっとしない。
クラスでの人気を集めたことだってもちろんない。
二卵性で元々そんなに似ていなかった暁は僕とは正反対で、バスケットボールでエースを努め、成績も常に上位、先生からも同級生からも一目置かれるという存在。
どこかのドラマによくありそうな真逆をいく僕たち。
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