明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
自宅最寄り駅に着いて改札を抜けると、
前方に見知った顔。

相手が私に気付き、近寄ってくる。


「瑠花さん、お疲れ様。」

「何してるの?」

「待ってた?」

首を傾げながらも、
普通にそう言う辰巳。


「だから、なんでいるのかしら?怖いんだけど。」

「あはは。大丈夫。さすがにずっととかじゃないから。今日高校のやつらと呑んでたんだよ。瑠依も一緒にね。」

あいつ!!
姉を売るとはいい度胸じゃないの!!よし。
お母さん来週帰ってこなかったら、ゴミ出しは全部あいつにやらせよう。


「で、何?送ってくれるの?それとも送り狼にでもなるの?」

「あはは。さすが瑠花さん。」

笑った顔は、まぁ、可愛いのよね。


「まぁ、いいや。今日疲れたし、イライラしてて優しくないけど、それでもいいなら、どーぞ。送ってよ。」

「了解。あ、瑠花さん腹減ってんじゃないの?」

「あいつ!どこまで、情報流してんのよ!」

「イライラすると、お腹減るよ。ほら、どこで買う?それとも、どっかで食う?」


「食べてたら、辰巳電車なくなるでしょ。」

そう。時間も結構遅くなってきてる。

「そっか、まぁ漫喫あるし、俺は平気。瑠花さんの好きな方でいいよ。」

ふーん。当然のように泊めてとは言わないわけか。一回してんだから、当然のように言う男もいるだろうに。



「んじゃ、食べる。コンビニで美味しくないサンドウィッチつまんだもの。」

「嫌いなの?サンドウィッチ?」


「嫌いじゃないわよ。
その前にイライラする事があって、たまたま買っちゃったから美味しく感じなかったから人にあげたの!

あー思い出さすな!!」

「瑠花さん、ほら、顔(笑)まだ外だからさ。」

そう言って、私の隣を当然のように並び歩きだす。
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