明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
「生ひとつと、辰巳は?」

「同じでいいけど、てか瑠花さん、呑むの?」

「は?あんたここ何処か分かってんの?」

「ご飯屋と言うよりはバーだね。」

「そーよ。だから呑むの当たり前でしょ?」

あの日以外で辰巳と会ったのは2回。
どちらも、普通にご飯屋さんで、飲む事はなかった。

仕方ないじゃない。

金曜日の居酒屋なんて、混んでるし、だからと言って、ご飯屋さんでパスタとかもこの時間にない。

だから駅から少し離れた家から近いここに連れてきた。

「瑠花さん腹減ってんじゃなかったの?」

「ここ、食べるのあるもの。あ、しゅうちゃん、野菜スティックも一緒に頂戴。」

家の近所と言う事もあって、食事として親ときた事ももちろんあるけど、1人でもたまにくる。
バイトの秀平くんは、マスターの息子さんで、私の3つ下で昔から知ってる可愛い弟みたいなもんだ。

「了解、瑠花さん彼氏ですかー?別れたって言ってたから、俺候補にして、って言ってたのになー(笑)」

相変わらずな軽口をいうのも、もう慣れっこだ。

「あはは。相変わらず可愛いわね。でも、しゅうちゃん、早くオーダー持ってきなさいね。」

「はーい。」


いちおメニューもあるので、辰巳に渡せば明らかに面白くなさそうな顔。

「あんたもそんな顔してないでよ。」

「やっぱりモテるんですね。」

あはは。若いなー。

「辰巳ー。当たり前よ?だって私可愛いでしょ(笑)」

「やっぱり瑠花さんには、かなわないわ。まぁ、いいや。とりあえず今日は俺が隣にいる訳だしね。」

うーん。
さて、さて、どうしようかしら。
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