明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
そのまま、瑠花さんに電話する。

コール音だけで、でない。


仕方ないから、
瑠依に電話。

「どーしたー?忘れもん?」

「まーな、瑠花さん、まだ帰ってきてねーの?」

「えー?ねーちゃん?結構前に、帰ってきたよー?」

って、帰ってきてんのかよ!!
まぁ、
お持ちかえりだけはなかったって事か。


「おまえ今何してんの?凪いんの?」

「いや、さっき帰ったよー。先週も泊まりだったしねーさすがに無理だって。」

「おまえ漫画読みてーよな?」

「は?」

「うん、おまえは今すぐ読みたい。眠いなら漫喫で寝てろ。大丈夫。毛布もシャワーもあるから快適。好きなだけいろ!」

「え?ちょっと辰巳ー?」

「俺今からおまえ家行くから。」

瑠依にしては珍しく、
悟ったらしく、

「……泣かすなよ。」

「さーな。シスコンは黙ってろよ。」

それでも、笑って言葉を続ける。

「まー俺、辰巳も好きだしな(笑)いいんじゃね。振られてこいよ。」


「振られても、彼氏が出来てても、

今回は簡単に諦めねーけどな。」



「うわ。凪みたい(笑)」

「あいつは、もう俺の先生だな(笑)」

「あはは。いーよ。出掛けてやるよ。鍵どーする?」

「おまえが出る前に俺着くよ。」

そう言って、俺は呼ばれても、
望まれてもないかもしれない、瑠花さんの家に向かった。
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