明日を見て 〜頑張れ、横山!〜
玄関は開いてた。

瑠依がまだ部屋にいるのか、
出掛けた後か分かんねーけど、ちゃんと戸締りして、
そのまま瑠花さんの部屋の前にいく。

トントン。

「ごめん、瑠花さん。会いたくて、きちゃった。」

部屋の中から、
物音はしたが、ドアの前にくる気配はない。

「ごめん。連絡ないのに。瑠依に開けて貰っちゃった。」

「このまま、ここで話した方がいい?」

「俺は、瑠花さんの顔見たい。」

「会いたい。」

「瑠花さん、俺、やっぱり瑠花さんが好きなんだよ。」

そうドア越しに言ってれば、
少しして、

瑠花さんの部屋のドアが空き、風呂上がりだろう、
なのに、すっぴんとは思えない、可愛い顔が
俺を睨む。

「瑠依いんでしょ?あんた、恥ずかしいのよ。」

瑠依はもう出掛けたかもなと頭で思いつつも、
それは言葉にはせず、

「入れてくれんの?」

「弟に遊ばれんのだけは勘弁よ。」

そう言って、俺を部屋に入れてくれた。
< 87 / 98 >

この作品をシェア

pagetop