クールな御曹司と愛され政略結婚
「灯がなにを言っても納得しないくせに、それでも言わせるのは、灯がかわいそうだよ」
「お姉ちゃんに…」
「関係ない? ほんとにそうか?」
ゆっくりと近づいてきた姉は、しなだれかかるように灯の肩に手を載せた。
私より5センチは背の高い姉がそうすると、灯の容姿と絵のように釣り合う。
「過去の話だよ、目をつむってやれ」
「つむりたいけど、できないから、はっきり聞きたいの」
「私は灯と寝たよ、灯以外ともたくさん寝たけど」
吐きそうになった。
知っていた。
知っていたけれど。
「だけどもう、10年以上も前の話だよ、そんなので責めないでやってくれ」
「責める気なんてないよ」
「だったら聞かずに済ませてやればよかったじゃないか」
「知る権利くらいある」
「自虐につきあわされて、灯も気の毒だ」
かっと顔に血が上るのがわかった。
姉の言う通りだ。
いつだって、姉の言う通りなのだ。
「要子、もうやめろ」
「言ったろ、好きな子は泣かせたいんだよ」
灯が肩から姉の手を振り落とし、厳しい声を出した。
姉は意に介さず、真っ白な美しい肌を淡く光らせて笑っている。
「俺も言ったろ、要子のそれは、たちが悪い」
「いい男になったなあ。怒るとますます男前だね」
「まじめに聞け」
「私の辞書にまじめって言葉は、載ってはいたんだけど消しちゃったんだ」
「お姉ちゃんに…」
「関係ない? ほんとにそうか?」
ゆっくりと近づいてきた姉は、しなだれかかるように灯の肩に手を載せた。
私より5センチは背の高い姉がそうすると、灯の容姿と絵のように釣り合う。
「過去の話だよ、目をつむってやれ」
「つむりたいけど、できないから、はっきり聞きたいの」
「私は灯と寝たよ、灯以外ともたくさん寝たけど」
吐きそうになった。
知っていた。
知っていたけれど。
「だけどもう、10年以上も前の話だよ、そんなので責めないでやってくれ」
「責める気なんてないよ」
「だったら聞かずに済ませてやればよかったじゃないか」
「知る権利くらいある」
「自虐につきあわされて、灯も気の毒だ」
かっと顔に血が上るのがわかった。
姉の言う通りだ。
いつだって、姉の言う通りなのだ。
「要子、もうやめろ」
「言ったろ、好きな子は泣かせたいんだよ」
灯が肩から姉の手を振り落とし、厳しい声を出した。
姉は意に介さず、真っ白な美しい肌を淡く光らせて笑っている。
「俺も言ったろ、要子のそれは、たちが悪い」
「いい男になったなあ。怒るとますます男前だね」
「まじめに聞け」
「私の辞書にまじめって言葉は、載ってはいたんだけど消しちゃったんだ」