クールな御曹司と愛され政略結婚
「ねえ、灯、今、日焼け止め舐めてるよ」

「どっちかっていうと汗だな、塩辛い」

「シャワー浴びさせてよ!」

「別に嫌いじゃないけど」



小声で言い合ううち、着ていたTシャツをたくし上げられ、バンザイ状態で腕と頭からも抜かれた。

灯の唇と舌が、首筋をくすぐる。

ぞわぞわして、首をすくめて灯のシャツを握りしめた。


なんでいきなりこんな流れ。

さんざん一緒のベッドで寝ておいて、なにもなかったのに。


ボーイフレンドタイプのデニムは、あっさり脚から抜かれてしまった。

下着だけになった私の身体を、灯の手がゆっくりとなでる。


ふと灯が身体を起こして、着ていたTシャツを脱いだ。

軽く頭を振り、目にかぶった黒い髪を、邪魔くさそうにかき上げる。

それから一連の仕草をじっと見上げていた私に気づき、にこっと微笑んだ。



「唯」



愛しげに呼んで、私の前髪を梳いて、あらわになったおでこにキスをくれる。

目が合った。

好き、ともう一度言おうとしたのだけれど、一瞬早く唇をふさがれてしまい、かなわなかった。


灯のキスから、様子見の気配が消えた。

時折歯がぶつかり合うくらいの、深い、激しいキス。


肩のストラップがひき下ろされ、無防備になった鎖骨に噛みつかれる。

背中に手が回された。

締めつけが解かれるのと同時に、浮いた下着と肌の間に、灯の手が入ってくる。

抱きついてキスをねだった。


好きなの、灯。

どうも全部伝わりきっていない気もするから、また後で言うね。

好きなの、灯だけが。
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