【短編集】その玉手箱は食べれません


「あなたは完全な不良品です!」

 担当医にきっぱり言われ、おれの思考回路は暴走した。


 警備員のホルスターから素早く銃を抜き取り、構える。


「6連発の回転式か…古い型の警備員4号は動きも鈍ければ持っている銃も古いんだな。ケチらないでせめて6号くらいに警備させないと病院内の安全は保てないぜ」

 おれは担当医と警備員に銃口を交互に向けた。


「そんなことをして何になる?」

 担当医が冷静な口調で尋ねる。

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