【短編集】その玉手箱は食べれません
「どういう意味だ?」
おれは首をかしげた。
「狼男はとてもしぶといんですよ。ちゃんと死んだことを確認しないと後でえらい目に遭いますよ」
バーテンがニヤッと笑い視線を後方へ逸らした。
背中に寒気を感じて振り向く。
さっきまで死んでいたはずの狼男が黄色い眼を怪しく光らせ、ゆっくりと立ち上がる。
おれは素早くウィンチェスターライフルを取り上げ、飛びかかってきた狼男の口へ銃身を突っ込み、レバーアクションで銀の弾丸を見舞った。