最低彼氏にはさよならがお似合い



遠くで救急車のサイレンが聞こえた。


口元に手を当てたまま顔をあげれば、真っ直ぐな視線にあてられる。

こくり、言葉の代わりに頷いてみせる。


救急車のサイレンが近づいてくる、たぶん1本隣の道路を通った。

一瞬気を取られ、気づいたときには相川さんに再び抱き締められていた。


耳元で大きく安堵の息をはかれる。

「……ありがと」

お礼を言われることなんてしていないのに、むしろ謝らなきゃいけないくらいなのに相川さんは嬉しそうに笑っていた。



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