恋色流星群
「まだ10月なんだけどさ。俺らの仕事、もう年末向けになっててさ。今年あった良かったこと、とかよく聞かれるんだけど。」
『へぇ~。年末っぽいね。』
「今年は、たくさんいいことがあったから、どれか一つ決めるのが難しい。笑」
『最高じゃん!wそうだなぁ、私は・・・
ハワイに行けたことは、すごく嬉しかった。自分じゃ行けなかっただろうな。』
「そんなことないだろ。」
『ううん、あんなに長い休みもらえることないもん。何年ぶりの、海外だったよ。』
「そっか。」
そろそろ欲しいな、と思ったら。
その時を逃さず、与えられる果実の香り。
『陽斗くんも食べてる?私ばっかり、もらってない?』
「食べてるよ。目開けたら、俺のとこすごい種あるからびびるよ。」
『あはっ、そっか。w』
詰まる、ところは。
ひたすらに、優しい人なんだと思う。
『私ね、私の人生で陽斗くんくらい優しい人は、最後だと思う。』
「なにそれ。笑
急にどうした?」
『ううん。ただ、そう思った。』
感情の最果ての少し手前は、きっと今しかない。
湧き上がった想いは、思わず言葉になって溢れた。
「俺も、理沙子みたいな人にはもう会えないだろうな。」
『言うと思った!笑
ありがと、けど私みたいなのだったら、まだまだいるよ。』
ばかだな、と。
小さく聞こえた気がした。
「俺は、こういう感情は全部。理沙子で、最後にしたいんだよ。」