声にできない“アイシテル”
 ようやく分かった。


 ここ最近、俺の胸の中でくすぶっていた感情の正体が。


 俺は、あの子が好きなんだ。


 だからそばにいたいと思うし。
 
 笑顔が見たいんだ。







「桜井、どうした?」 

 小山も窓から身を乗り出す。

 そして俺と同じように表情が凍った。



「チカちゃんじゃないかっ!?」

「小山、先生を呼んできてくれ。
 俺はあのこのところに行くからっ!」

「分かった。
 チカちゃんを頼む!」


 俺たちは廊下を駆け出した。

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