声にできない“アイシテル”
 チカの存在感がこの場の空気を和やかにしてゆく。


 叔父さんも叔母さんも本気で笑っている。
 
 その場を取りつくろう愛想笑いなんかじゃない。



「こんなところにいないで食事にしよう。
 チカさん、遠慮しないでたくさん食べるんだよ」

「おいしいケーキも用意したのよ。
 チカちゃん、甘いもの好きよね?」


 2人ともすっかりチカを気に入ったようだ。




 俺とチカは目を見合わせて、ちょっと笑った。



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