声にできない“アイシテル”
 叔父さんと叔母さんが緊張を解いて、チカに向き直る。

「ええと・・・。
 チカちゃん、ごめんなさいね。
 少し驚いてしまって」


 チカが叔母さんに対して首を横に振る。

 そしてにっこりと笑った。


 俺がチカの口の動きを読んで、彼女の気持ちを代弁する。

「“私はすっごいおしゃべりなんです。
 もし声が出せたら、うるさくてお2人はびっくりしたと思います。
 だから、かえって話せないほうがいいかもしれませんよ”ってさ」
  

 俺が言い終えると、チカがぺロッと舌を出した。

 すると叔父さんと叔母さんが笑い出す。



 2人に気を遣わせないように、わざとおどけて見せた彼女。


 本当にチカは強くて、優しい。


 こんなに素敵な女の子、他にはいないよ。




 俺も笑った。


< 231 / 558 >

この作品をシェア

pagetop