絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
12回目
バトルで疲れたあたしはいつの間にか眠ってしまっていて、加奈ちゃんに揺り起こされた。


「そろそろバトルが始まるよ」


そう言われてあたしは慌てて身を起こした。


「あ……ありがとう」


あたしはそう言いながらも、思わず加奈ちゃんから視線を逸らした。


あたしは加奈ちゃんが酒本君にいじられている時に無視してしまった。


そんな後ろめたさがあったからだ。


「あたしは気にしてないから」


「え?」


加奈ちゃんの言葉にあたしは首を傾げた。


「あたしはまだ、友達だと思ってる」


その言葉にあたしは驚いて目を見開いた。


「本当に……?」


恐る恐るそう聞くと、加奈ちゃんは「うん」と、力強く頷いた。
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