絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
☆☆☆

そして、次のバトルが近づいていた。


ステージにはスーツの男。


昨日の事を思い出しながら、あたしは男の言葉を待った。


「さぁ! 今日ですべて決着がつきます!」


その言葉に体育館内がざわついた。


それは安堵のため息や、恐怖の悲鳴で入り混じっている。


男の両脇に立っている男たちが拍手でその場を盛り上げる。


もう見慣れてしまった光景だった。


けれど、胸の奥に違和感が生まれていた。


『今日ですべて決着がつきます』


その言葉を頭の中で繰り返す。


体育館内にはA組以外の生徒たちの姿が多くある。


バトルはまだまだ続いていくはずだ。


『今日ですべて決着がつく』


ということはないはずだ。
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